世田谷コミュニティ財団では、9/16と17の2日間,「人生最後の社会貢献」と言われる遺贈寄付について、オンライン形式で学ぶセミナーを開催しました。その実施報告を、NPO法人玉川まちづくりハウスの「玉川まちづくりハウスニュース」に寄稿しましたので、当サイトにも掲載します。
当日のイベント「<遺贈寄付ウィーク2021>全国同時開催企画「今日から学ぼう、遺贈寄付 ~あなたの想いを繋げるために~」の概要はこちらです。
https://scf.tokyo/4355/
※本セミナーは、9月13日の「国際遺贈寄付の日(International Legacy Giving Day)」にちなんで開催される、「遺贈寄付ウィーク」関連イベントです。
※遺贈寄付ウィークについて、詳細はこちらをご覧ください。
https://izoukifu.jp/legacygivingweek/
人生の集大成の社会貢献としての遺贈寄付 ~9/16遺贈寄付シンポジウム報告から~
市川徹((一財)世田谷コミュニティ財団)
遺贈寄付とは、「遺言によって自分の財産の一部または全部を寄付すること」(相続財産の寄付や信託による寄付も含む)を言います。故人の思いを汲みながら、残された財産を社会に役立て、さらには相続税の対策にもなるとして、近年注目が高まっています。
9月13日は「国際遺贈寄付の日」。海外では遺贈寄付の周知のためのキャンペーンがこの時期に実施されていることから、日本でも全国レガシーギフト協会が中心となり、2020年から「遺贈寄付ウィーク」が開催されています。
9月16日には、全国一斉に「遺贈寄付シンポジウム」が開催されました。これに合わせて、私たち世田谷コミュニティ財団は、オンラインシンポジウム「今日から学ぼう、遺贈寄付~あなたの想いを繋げるために~」を開催しました。
オンラインシンポジウムの第1部では、「遺贈寄付のもつ意義」について、(公財)さわやか福祉財団会長の堀田力さんにお話いただきました。堀田さんからは、日本では財産を家族に残すのが慣例だが、個人としての想いを生かすことも大切である、遺贈寄付を選択肢の一つとして広げていこう、というメッセージがありました。また遺贈による寄付をされた方々への感謝の気持ちを表した謝恩会の様子を動画で紹介いただきました。一人一人の氏名や想いを知ることで、遺贈寄付をされた方々の気持ちと、それを受け取ることの重みを感じる内容でした。
続く第2部では、「遺贈寄付の考え方と手順」をテーマに、(一社)全国レガシーギフト協会代表理事で弁護士の樽本哲さんにお話いただきました。樽本さんからは、遺贈寄付の件数と金額がここ5年で倍増していること(2018年で99件57億円)、また相続されず国庫に入る財産が2018年のみで約628億円にものぼることが紹介されました。さらには遺贈寄付に関する概略や実際の手続きを、遺贈する本人や相続人、そして遺贈を受け取る団体側の視点から、具体的なケースを交えて解説いただきました。
「終活」という言葉は年々認知度が向上し、今や40代以上の9割が知っていると言われています。「自分の想いを叶えたい」、「暮らしやすい社会をつくりたい」、「地域のために財産を活かしたい」など、社会とのつながりに感謝し、社会への恩返しをしようと考えた時に、有力な選択肢の一つとなるのが遺贈寄付です。「終活」に取り組む際に、避けられないのが財産の話です。「人生の集大成の社会貢献」とも言える遺贈寄付、あなたもこれを機に考えてみませんか。
*世田谷コミュニティ財団では、来春に「終活」と「遺贈寄付」を考えるセミナーを開催予定です。ぜひご期待ください。