1/26(土)、世田谷コミュニティ財団が設立後初めて行う助成プログラム「“ココロマチ”~農ある世田谷は実りを増やす~」の募集要項公開に合わせ、上記のシンポジウムを開催しました。
募集要項等はこちら
https://scf.tokyo/overview/kokoromachi/
本シンポジウムは、
・本助成プログラムの内容に関する説明と、
・寄付者募集の呼びかけ、
・そして助成プログラムを「都市の農」と置いた背景に関する解説を行った上で、
・「都市における農業」をコミュニティで支える意味について、ゲストの皆さんと意見交換を行いました。
会場には、お子さま連れのご家族をはじめ多くの参加者の皆さまにお集まりいただきました。
ご参加頂きました皆さま、さっそく設立記念助成に寄付を頂きました皆さま、ありがとうございました。
1.イベント概要
2019年1月26日(土曜日13:30-15:30)、二子玉川ライズ 「カタリストBA」にて下記のイベントを行いました。
設立記念助成プログラム キックオフギャザリング 「都市の「農」―世田谷のまちの生態系を支える新しい価値
https://scf.tokyo/2884/
世田谷区は、23区内で2番目に広い農地面積を有するなど、都市にありながら農の豊かさを抱えた街です。
しかし世田谷の「農」はいま、担い手の高齢化、減少、生産緑地を巡る制度改革など様々な変化に直面しています。
シンポジウムでは、都市と農が抱える課題と「農」のこれからについて、登壇いただいた5名の皆さまから話題を提供いただきました。
2.オープニング
イベントの冒頭では、世田谷コミュニティ財団代表理事の水谷からご挨拶を行いました。
続いて、当財団理事の福永順彦から、本イベントの趣旨について、説明致しました。
3.登壇者の皆様からの話題提供
続いて、登壇者の皆さまからの話題提供です。
最初に、星勉氏 (地域社会計画研究所代表)から「都市農地の価値の系譜」と題して、
・都市農地を巡る法改正の背景と意図
・都市農地が抱える課題についてお話いただくとともに、
・練馬区や大田区、日野市のまちづくりの視点からの取り組みや、
・世田谷を含む都市の農業に関する今後の提言
をいただきました。
続いて本澤絢子氏(東京工業大学大学院)からは、「農と食と都市 そこからみえる世田谷の未来」についてお話頂きました。
ご自身も世田谷出身であるという本澤さんからは、
・世田谷区の農地と農家戸数の大幅な減少状況
・それに対して続ける区の人口とそれを支える食システムの不均衡な現状、そして社会の有り様への問題提起とともに、
・食育などを含めた、都市と農との可能性について、話題提供を頂きました。
田中瑞穂 氏 (一般財団法人 世田谷トラストまちづくり)からは、行政や民間企業と異なる視点から、世田谷トラストまちづくりの緑化活動についてと、ボランティアと協業するまちづくりのお話をいただきました。
また、地域住民の力で豊かな暮らしを創出するためにも助成金を大いに活用し未来につなようと、応援のメッセージをいただきました。
福田武雄氏 (JA 東京中央)からは、
・これまでの都市政策の中で農地が顧みられてこなかったこと
・制度の改革によって翻弄されてきたことなどの経緯のお話とともに、
・今回の改正を契機として、農地が継続していくシステムや後継者を育てノウハウを次世代に受け継ぐことの大切さ
についてお話いただきました。
また、安価なスーパーの商品の背後にある食の問題、地元で採れた安心できる食を守るため価格差をどう考えるか、という問題提起、そして、1、2年で結果を求める時間軸ではなく、10年先を見据えたと取り組みの重要性を語っていただきました。
4.イベント後半
イベント後半では、会場との対話を含めて、話題提供者の皆様とのディスカッションを行いました。
ファシリテーターは、世田谷コミュニティ財団副代表理事で、一般財団法人 エコロジカルデモクラシー財団理事長の土肥真人さんです。
また、フロアからの発言では、会世田谷で代々農業を営む中杉さんから、お話しを伺いました。
代々受け継ぎ、世田谷で農業を営まれる中杉さん。都市の農業経営は、利益を出せるだけの農地の確保が難しく、それだけで生活できる利益を得られていない現状。農をレジャーと捉え関わる人も多くなってきており、それを否定するものではないが、農を守るためには、経験ある担い手が必要。農地だけあればよいのではなく、どうやって人を育てていくか、あわせて考えていかなければならない、など農家を営まれる現場ならではの課題を提起いただきました 。
最後に、再び世田谷コミュニティ財団 代表理事の水谷より閉会のご挨拶です。
水谷からは、設立記念助成プログラムの助成先と寄付募集のご説明、市民の皆さまとつくる都市の「農」、世田谷の可能性について改めて呼びかけさせていただきました。
具体的には
・世田谷コミュニティ財団は、市民からの寄付によって成り立っていること
・一般的な助成や補助とは異なり、対話型で進めていきたいと考えていること
・事前相談なども積極的に活用頂きたいこと
・この取り組みを続けるためには、皆さんからの寄付が欠かせないこと
などをお話させて頂きました。
5.寄付者・協働先、ともに募集しています!
昨年4月の財団設立から、約10か月。
今回は世田谷コミュニティ財団の関係者一同、文字通り“ココロマチ=心待ち”にしていた、初めての助成プログラムを、皆さんに公表することが出来ました。
シンポジウムにご参加頂きました皆様に、心より感謝申し上げます。
ぜひこの取り組みに賛同いただき、ご寄付によって応援いただけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
設立記念助成プログラム“ココロマチ”詳細はこちら
https://scf.tokyo/overview/kokoromachi/
【助成概要】
一般財団法人 世田谷コミュニティ財団 設立記念助成プログラム“ココロマチ”~農ある世田谷は実りを増やす~
・申請期間:2019年3月1日~2019年3月22日
・助成期間:2019年6月~2020年5月末
・助成金額・総額:1団体あたり100万円(上限)・総額300万円
・対象となる事業:世田谷の「農」を守り育てるための課題の発掘、その課題解決のために必要な調査、ビジョンの作成、およびそのビジョンを実現するための戦略立案、試行的事業(パイロット事業)の実施。
・主な対象となる組織:世田谷の「農」を継続的に守り育てることを通して地域のコミュニティを育み、継続的に連鎖させていく活動に取り組む団体やグループであること。(連合体を含み、法人格は問わない)