世田谷コミュニティ財団では、2021年3月9日に、クリエイティブ・シティ・コンソーシアム(代表幹事:東急株式会社 https://creative-city.jp/)との共催で、同コンソーシアムの2020年度クリエイティブミーティングとして、オンライン配信イベント「ウィズコロナ時代の郊外コミュニティ×ビジネスの未来〜地域課題をビジネスでクリエイティブに解きほぐす〜」を開催いたしました。
当日は多くの方にご視聴いただきました。ご覧くださった皆様、ありがとうございました!
【開催概要】
「ウィズコロナ時代の郊外コミュニティ×ビジネスの未来〜地域課題をビジネスでクリエイティブに解きほぐす〜」
■主催
クリエイティブ・シティ・コンソーシアム(CCC)
一般財団法人世田谷コミュニティ財団
(共同開催)
■日程
2021年3月9日(火)15:00-17:00
■開催方法
YoutubeLIVE配信 https://youtu.be/8OWVX7oJqLQ
1.主催者あいさつと趣旨説明
はじめに、共同主催者のCCCと当財団から、開催挨拶と本イベントの趣旨の解説を行いました。
トップバッター、クリエイティブ・シティ・コンソーシアム事務局長で東急株式会社の中山典顕氏です。
中山氏からは、コロナ禍により、消費の中心が郊外へ移っていること、12月に開催したCCC主催の円卓会議でも都市のこれからについて議論がされたこと、本イベントを機に、郊外の生活経済圏における新たなビジネスの萌芽を考えたい旨をお話しいただきました。
続いて一般財団法人世田谷コミュニティ財団代表理事の水谷衣里から、コロナ禍におけるコミュニティの変化と、それがどうビジネスの種につながるのか、その時にコミュニティに求められることは何か、考える機会としたい、との解説がありました。
2.ゲストトーク
続いてはゲストトークです。
ゲストトークは、3名のスピーカーをお迎えし、主催との対話により、内容を深める形としました。
ゲストトーク1:ココネット株式会社
取締役社長執行役員 河合 秀治氏
河合さまからは、「物流を通じた社会課題解決」として始まったココネットの取り組みをお話頂くと共に、コロナ禍において、「宅配」や「物流」に大きな変化が訪れていること、需要の拡大に対して、AIの活用など、DXを通じた事業の高度化に取り組まれている様子をお話頂きました。またドローンや処方薬の宅配などの新サービスの展開についてもお話し頂きました。
ゲストトーク2:プランティオ株式会社
CEO 芹澤 孝悦氏
IoTやAIを活用し、都心にいながら食と農を繋げるFarm to Tableに取り組むプランティオ芹澤さまからは、コロナ禍の中で、身近な自然や野菜、食の大切さに関心を持つ都市住民が増えたこと、プランティオのユーザーが、オフィスワーカーから都市住民へとユーザーがシフトしたこと、ニューノーマルの中で、テクノロジーを活かしたコミュニティ形成や、自然との繋がりづくりがいっそう求められていることなどを、お話頂きました。
ゲストトーク3:株式会社a.school
代表取締役 岩田 拓真氏
アウトプット型・探究学習塾を展開するa.schoolの岩田さまからは、2020年に大田区池上で新たにスタートした地域に開かれた学び場「たくらみ荘」についてお話頂くと共に、近隣住民のニーズやアイデア、主体性に基づく事業運営の可能性と、コロナ禍による環境変化をどう事業展開に活かしていくか、お話頂きました。
3.クロストーク
後半はクロストークを行いました。クロストークでは、モデレーターの坂倉杏介氏(東京都市大学 都市生活学部 准教授/世田谷コミュニティ財団 理事)の進行のもと、ゲストのお三方の取組みを、コロナ禍におけるコミュニティの変化という観点から、深く掘り下げました。
クロストークの冒頭では、コロナ禍における社会環境の変化の特徴として、都市生活者の誰もが、生活環境やスタイルの変化を少なからず体験してきたこと、マイナスの側面ももちろんあるが、共通の体験をしたことで、社会環境の変化により良く対応し、未来を作り出す必要があることが確認されました。
これを受けて、ココネット株式会社の河合氏からは、宅配業や物流業は、時間通りに届くことが当たり前だとされてきたが、コロナによって、「物が届くこと」が当たり前ではなく、貴重で価値あるものだという認識が生まれたこと、一方で、DXの進展により、ギグワーカーも増加し、担い手や選択肢が増えつつあることなどが紹介されました。
プランティオ株式会社の芹澤氏からは、コロナ禍での大きな気づきとして、都市の脆弱性が挙げられるとの発言がありました。また「みんなで育てて食べる」という、スモールコミュニティを、時間をかけて育むことが重要との発言がありました。
エイスクールの岩田氏は、コロナ禍による小中学校の休校により、思わぬ形で子どもたちに創造的な学びの時間が生まれたこと、一方で、そうした環境にない子どもたちも存在し、教育格差の拡大への配慮が必要との指摘がありました。同時に、探求学習が教育現場だけでなく、地域にはみ出し親や近隣住民も関わることが、学びの豊かさや、暮らしの質の向上につながるとの発言がありました。
モデレーターの坂倉氏からは、コミュニティに根ざした事業は、長い目で見るとレジリエンスが高い地域へとコミュニティを変革していく可能性があること、それを実現することが、持続可能な自律分散型の郊外都市のイメージではないだろうか、との結びを頂きました。
4.閉会あいさつ
イベントのクロージングにあたり、当財団代表理事の水谷より、自律分散型都市の構築が、本日のキーワードであったこと、コロナ禍の中で、都市の持つ脆弱性やリスクが明らかになったこと、一方で人が集まることで生まれるクリエイティビティや豊かさは依然として価値があると考えていること、脆弱性の解消のためには、公と共を媒介するコミュニティ財団として果たすべき役割が存在するのではないかとの思いを強くした、とのまとめを行いました。
最後に、登壇者の皆様への感謝を表し、イベントを終了しました。