審査の結果、採択は以下の2団体に決定しました!(2019年6月1日)
1.じゅんかんチャレンジ桜丘推進協議会(世田谷区桜丘)
「食と農をつなぐ「じゅんかんチャレンジ世田谷」」
当会は、東京農大のリサイクル研究センターで開発された「生ごみ肥料」を核として、世田谷区桜丘周辺の生産者支援、消費者による地産地消、そして小・中学校における食育・環境教育等へと「じゅんかん」の輪を広げ、食と農で“地域を繋げる”活動を行う団体です。本事業では今後、桜丘から世田谷全域へと活動を拡大することを目的に、世田谷農業における『生ごみリサイクル』の実践を化学的・社会学的に検証します。核となる 「生ごみ肥料」の安定した製造と効率化技術の開発を行うとともに、生産者への生ごみ肥料の供給、生ごみ肥料を使って生産された農作物による学校給食、農地保全を目的とした援農、及び世田谷区内の大学、高齢者施設、行政等各機関との連携を始め、幅広い活動を通して都市農業の今後に大きく寄与するものと考えます。
2.テヅクリ畑の会(世田谷区喜多見)
「農が結びつける農家と住民の輪の検証プロジェクト」
今も農地が残る喜多見地区を中心に、次代につながる「農のある街づくり」の手本を実現します。本事業はその実証実験でもあります。都市生活を送る人は、都市化した生活空間の潤いのなさ、以前はあった自然の共有空間、農地・農家を失った重大さに気付き初めています。新たな価値は「農(農家)と食(住民)の相互理解、共有共生」から生まれます。私たちは、農家の人達に野菜・作物への感謝を伝えて将来にまで継続いただきたい。都市で生活する人達には、畑の土と野菜と天空に触れる気持ち良さを体験していただきたい、と考えています。この実証実験は、世田谷の農地減少の問題に、困難を乗り越えて継続的に取り組む仲間(団体)が出来るか(育つか)どうかの検証でもあります。
【今回の申請団体一覧】
1.スマイルデザイン+相田合同工場(埼玉県さいたま市)
「農地の「都市耕園」化に向けた基礎調査(農地貸しの欠点を解消するプロジェクト)」
2.結お~くらんど(世田谷区喜多見)
「結お~くらんど「農」プロジェクト“きたみふぃーるどらんど”」
3.特定非営利活動法人農スクール(神奈川県藤沢市)
「農を舞台に、誰もが生き生きと働くことができる社会を目指す事業」
4.じゅんかんチャレンジ桜丘推進協議会(世田谷区桜丘)
「食と農をつなぐ「じゅんかんチャレンジ世田谷」」
5.テヅクリ畑の会(世田谷区喜多見)
「農が結びつける農家と住民の輪の検証プロジェクト」
チラシ・募集要項・申請書のダウンロード(募集は終了しました)
募集要項(内容は上記PDFと同じ)
1.趣旨
本助成プログラムは、一般財団法人 世田谷コミュニティ財団が、その設立を記念して行う助成事業です。テーマは「都市の農を守り育む活動」とし、世田谷でそれに取り組む団体を公募します。都市の「農」の問題に取り組むことは、次に掲げる問いのように、現在の都市においてとても重要な視点であると考えるからです。
1)都市におけるコモンズ(農地、自然、オープンスペースなど市民が共有すべき資源)とは何か
2)コミュニティ(人)と場所(土地)とのつながりはどうあるべきか
3)持続可能な都市環境や都市経済に市民がどう関与できるのか
4)「農」が持つ多面的な役割を通して都市生活をどのように豊かにしていくのか
私たち世田谷コミュニティ財団は、「都市型コミュニティ財団」というコンセプトを掲げ、「まちを支える生態系」をつくることをミッションとしています。人の営みとしてのコミュニティは、その土地や場所と切っても切れない関係にあります。この世田谷という都市から確かなコミュニティを育み、人と人、人と場所、場所と場所のつながりを継続的に連鎖させていく、そんなことを目指しています。
都市にあるものは、住宅や商店や事業所だけではありません。その都市を支えてきた背骨としての自然環境があります。今はそれがとても見えにくくなっています。あるときは公園として、河川の残滓として、地形の変化としてようやくその痕跡をみることができます。その中でも「農」は、自然環境であるとともに、食を提供し、世田谷の基盤をなす産業であり、先人から引きついできた生活そのものでした。
今、産業としての「農」の役目は変化していますが、都市の「農」は、その存在自体が多くの可能性を持っています。私たちの身近に「農」があることで、明日の天気に思いを馳せ、季節の移り変わりを自分のこととして感じることができます。家庭のゴミを堆肥として採れた作物は子ども達の成長の糧となります。また、土に触れ、食物を育てる活動を通して、あるいは、伝統に根づいたお祭りなどの参加を通して様々な交流が生まれ、地域に主体的に関わる意識が生まれます。身近な農地でできた産物を地域で消費することで働く場所をつくり、地域経済の循環をつくります。都市における農の風景は「博物館」ではありません。農地を核とした「まちづくり」は、私たちのコミュニティを支える背骨になり得る存在だと考えます。世田谷の背骨としての「農」は、まだ生きているのです。
今、その都市農業の存続があらためて問われています。働き手の高齢化や相続の問題から、多くの農地が失われています。振り返ってみると、都市から「農」が消滅していくことに対して、これまで私たち市民として何かをしてきたでしょうか。それを維持してきた人たちに任せにして、その苦労の面に少しでも思いを馳せたでしょうか。農地の所有者で、先祖代々の土地を積極的に手放したいと考えている人はほとんどいないのです。私たちはそのことに無責任でいることはできないと考えます。都市から「農」が消えたとき、その存在の大きさに気づいても二度と元の形には戻らないのです。
また、本助成プログラムは、世田谷の「農」を守り育てるための課題の発掘、その課題解決のために必要な調査、ビジョンの作成、およびそのビジョンを実現するための戦略立案、試行的事業(パイロット事業)の実施を助成対象としています。世田谷の農を取り巻く環境を捉え、農に携わる方々、地域住民、活動を応援したいと考えるプロボノ人材、そして我々コミュニティ財団と共に、都市の農、世田谷の農のこれからを考え、戦略を描き、他のモデルとなる活動を行う意思を持つ団体に対して助成を行います。奮ってご応募下さい。
<参考:「生産緑地法」の改正と「都市農地の貸借の円滑化に関する法律」の施行>
2018年都市農地に関わる二つの大きな制度改革がありました。この改正により、生産緑地の指定下限面積の緩和や一団の農地として見なせる範囲の弾力的な運用などが認められます。また、都市農地の賃貸借に関する規制を大幅に緩和しました。この制度改正の動きそのものが、都市農業の危機の反映と考えることもできます。
2.助成期間
2019年6月1日~2020年5月31日
3.助成金額・総額
1団体あたり100万円(上限)・総額300万円
4.対象となる事業
*世田谷の「農」を守り育てるための課題の発掘
*その課題解決のために必要な調査
*ビジョンの作成、およびそのビジョンを実現するための戦略立案
*試行的事業(パイロット事業)の実施
※単発のイベントや試行的事業のみの活動は対象としません。
5.対象となる組織
1)世田谷の「農」を継続的に守り育てることを通して、地域のコミュニティを育み、まちを支える生態系をつくる活動に取り組む団体やグループであること(連合体を含み、法人格は問わない)
2)代表者もしくは主要メンバーに、提案内容に即した過去の活動実績があること
3)農家と真剣にコミュニケーションをとり、活動に取り組めるグループであること
4)財団と常にコミュニケーションをとり、財団が指定する伴走者(プロボノ※)とともに企画・調査をブラッシュアップする柔軟性を持ち合わせていること
※プロボノとは:社会人としての専門性や経験を有し、助成先となる団体に対して伴走支援するボランティアを指します。
5)活動の成果について説明する意思を持ち、財団が求める成果報告等について協力する姿勢を持つこと
※世田谷コミュニティ財団は、寄付によって支えられる財団です。寄付者に対する説明責任を果たす観点から、WebやSNSによる情報発信、報告会への参加、各種レポート等への協力をお願する予定です。
6.選考基準
1)プロジェクトの目的が助成事業の趣旨と合致しているか
2)ビジョン作成にあたり必要な調査が計画されているか
3)調査を行うメンバー、スケジュール、予算が適切であるか
4)調査が継続的な事業につながるか
5)財団やプロボノ人材と共に、成果発揮に向けて柔軟にコミュニケーションする意思があるか
7.審査方法
公開審査会方式により行います。日時と場所については、4月上旬ごろに通知します。
8.審査委員
決定後、財団ウェブサイトに公開します。
9.対象となる経費
*調査活動に要する経費
*調査手法のアドバイスを行う協力者・専門家に支払う謝金・交通費
*調査のとりまとめや発信にかかる経費
*試行実施に要する諸経費など
10.スケジュール
1)募集期間:2019年3月1日(金)~3月22日(金)正午
後述の応募方法に沿ってご応募ください。(申請内容に関する事前相談は3月15日(金)までとします)
2)事務局によるヒアリング:4月中旬~5月上旬
必要に応じ、事務局より申請内容について、電話・メール・対面等によりヒアリングを行います。
3)公開審査会の開催・助成決定:5月下旬
日時・場所・詳細については、4月上旬ごろに通知いたします。
4)助成期間:2019年6月~2020年5月末
助成期間中は「月報」の提出をお願いします。また、必ずプロジェクト関係者向けの報告会を開催してください。
助成期間終了後、「実施報告書」ならびに「会計報告書」の提出をお願いいたします。
5)財団主催の報告会への出席:2020年6月以降
世田谷コミュニティ財団主催の報告会等を開催します。公開の場を予定しています。報告会への参加は必須とします。
11.応募方法
所定の応募用紙に必要事項をご記入のうえ、2019年3月1日(金)から3月22日(金)正午までの間に「問い合わせ先」のメールアドレスにお送りください。財団への郵送、持参、FAXによる受付はいたしません。また、一度お送りいただいた申請書の差し替えは行いません。
12.事前相談
申請書提出に先立ち、世田谷コミュニティ財団の事務局と事前に相談を希望される場合は、最終頁のお問い合わせ先までご連絡下さい。趣旨確認や日程調整のうえ、事前相談の時間を設けさせていただきます。なお、事前相談は、提出期限1週間前の3月15日(金)となりますのでご注意ください。また、事前相談の有無が、採択可否に影響することはありません。
13.その他
*助成が決まった場合でも、支出計画の妥当性の審査の結果、助成金交付額が変更となる場合があります。
*所定の期日までに「月報」、「実施報告書」ならびに「会計報告書」の提出をお願いいたします。
*助成期間中に必ずプロジェクト関係者向けの報告会を開催してください。時期や内容等の詳細は、申請書に盛り込んで下さい。
*申請書は、審査の段階で審査員およびプロボノ候補者に共有します。また申請内容は、団体に確認の上、公開する可能性があります(個人情報は除きます)。
事前相談・お問い合わせ先
一般財団法人 世田谷コミュニティ財団
〒158-0094
東京都世田谷区玉川2-21-1 二子玉川ライズ・オフィス8階 カタリストBA
TEL:03-4405-2022 FAX:020-4664-1218
E-mail:setagaya@scf.tokyo
URL:https://scf.tokyo/