organization 財団概要

ミッション

 

「まちを支える生態系をつくる」

私たちのまち・世田谷は、変化し続ける街・東京の中にあって、その変化に対応し、時に抗い、一人ひとりの人が働き・暮らし・学び、生活を営む場であり続けました。
そして生きることを喜び、味わい、そして時に悲しみ、大切な人を慈しむ場であり続けました。

私たち世田谷コミュニティ財団は、そんな生活の場・世田谷で、知恵や経験などの蓄積を大切にしながら、新しい財やサービス、場を生み出し続ける仕組み、そしてそのチャレンジを応援し支えることを可能にする「まちを支える生態系」をつくります。

性別や年齢はもちろん、エスニシティやナショナリティ、思考や嗜好、得意不得意、知識・経験・背景・好み・悩みなど、全てが異なる人たちが、この小さな空間に90万人集まる世田谷だからこそできる。チャレンジする人と応援する人が、相互に刺激を受け、新しい価値観を得る。そんな豊かな生態系をつくります。

※生態系とは

生態系(エコシステム)は、本来、生物と環境の相互関係を表す言葉です。生物は、単体では生きていけません。水や空気、土壌や食べ物など生きるに適した環境があり、自分以外の他者との相互の関係があって初めて生き続けることができます。

生態系は異なる存在・物体によって構成されます。背景も役割も異なるひとり一人、ひとつ一つの組織が多様に存在していること。異なる存在が相互に関係していくこと。互いが持つ知恵や経験、技術や資源が結びつき、循環する中で、必要な仕組みや、時には思いもかけない発展が生まれる。そんな有機的なつながりや、応答関係をイメージして、「生態系」という言葉を用いています。

 

ビジョン

世田谷コミュニティ財団は、活動を通じて、次のような社会を実現します。

1.まちと人との関わりが、無数に多様に存在する社会をつくる
2.愛あるアクションが、無限につながる社会をつくる
3.新しい暮らし方を体現できる地域をつくる

 

1.まちと人との関わりが、無数に多様に存在する社会をつくる

大都市では、“まち”を意識しなくても生きていくことができます。電車に乗って通勤し、夜また電車に乗って、帰ってくる。あるいは自分や家族のことを考えて暮らす。それだけでも、十分素敵な毎日です。

でも、まちに関わること、そこに住む人と関わること、一緒になにかを始めることは、思いがけない豊かな時間を生み出します。そのことは、私たちが「レガシー」と呼ぶ、世田谷まちづくりファンドの20数年間が教えてくれました。

まちに関わる濃度は、人によって違っていていい。関わり方は多様でいい。タイミングが早くても遅くてもいい。でもまちに関わることの面白さを、少しだけ早く、今よりもたくさんの人に知って欲しい。だから、世田谷コミュニティ財団は、まちと人とのかかわりが無数に多様に存在する社会を実現します。

 

2.愛あるアクションが、無限につながる社会をつくる

コミュニティ財団を支えるもの。それは「愛」です。

例えば、寄付者の方が託して下さる資金は、「いま」社会課題の解決に取り組むチャレンジャーを支えます。チャレンジャーの行動は、「いま」困難を抱えている人やコミュニティを支えます。

でも、そうしたアクションは、“今”、“この瞬間”を支えるだけには留まりません。なぜならば、そうした小さなアクションの積み重ねは、やがて時間や空間を超えて、私たちの社会に本当に必要な仕組みや価値感を醸成していくからです。そのチャレンジはきっと、まだ見たことがない誰かがアクションを起こすきっかけを生み出すのです。

コミュニティ財団は、“愛”ある寄付者とチャレンジャーの双方のアクションを、時代や空間を超えて、無限につなげていくための基盤になります。世田谷コミュニティ財団は、愛あるアクションが、無限につながる社会をつくります。

 

3.新しい暮らし方を体現できる地域をつくる

「新しい暮らし方」。それは決して大げさなことではありません。

世田谷が守ってきた、気持ちの良い空間、水や緑、青空、川、空気を少しでも長く豊かに残しながら、東京らしいイノベーティブで開放性ある暮らしを楽しむこと。

障がいという特性を持つ人たちが、自分たちの得意を活かして、人の可能性を見せてくれること。
生きづらさ・働きづらさを抱える人が、世田谷にある人やリソースとつながり、また自分らしさを取り戻していくこと。
子育て世代の肩の力を抜いた支え合いが、コミュニティのレジリエンスに繋がることが示されること。

そんな新しい暮らし方を体現するまちを、ここ世田谷で実現し、日本に、世界にそのモデルを広げていきます。

 

世田谷コミュニティ財団が果たす役割

「当事者・挑戦者を増やし、価値を伝える」

世田谷コミュニティ財団の役割は、当事者・挑戦者を増やし、その人たちの取り組みの価値を伝えることです。ここで言う当事者・挑戦者とは、社会課題の解決に取り組む人と、課題解決をお金や知恵で支えようという人、その両方が含まれます。

 

1. 社会を変える当事者をつくる。

私たちのまちには、”誰か”や”何か”に頼るのではなく、社会を変えたい、もっと良くしたい、と考え行動する当事者が必要です。私たちは、社会の課題とその解決策を遠い世界の出来事ではなく、”自分の身の回りの、ごく当たり前のアクション”として捉えることができる当事者を増やしていきます。

 

2. チャレンジャーを応援する生態系をつくる。

課題解決のチャレンジも、それをお金や知恵で支えようとするチャレンジも、チャレンジすることはいつも尊いと私たちは考えます。起業家、事業者、寄付者、プロボノメンバーがもつ、意思あるチャレンジを知恵と経験を総動員してリアリティのある取り組みに転化します。

 

3. ポジティブな新陳代謝を促進する。

まちには新陳代謝が必要です。蓄積やつながりに学びながら、必要な変化を起こす。そしてその新陳代謝がまちの担い手を育てる機会になる。私たちは、このまちがもつ価値を大切にしながら、人や組織を育てる機会をつくることを通じて、スクラップ&ビルドにとどまらない、まちに必要なポジティブな新陳代謝を促す役割を果たします。

 

4. つながりを可視化・具体化し伝える。

世田谷でおこっている具体的な取り組みを可視化します。個人の意思が社会を動かすことを伝えます。私たちは、半径数メートルを超えた広がりやつながりが存在することの豊かさを実感できる機会を作っていきます。

 

5. 地域を超えて、価値を伝播させる。

世田谷にこだわる。だからリアリティがある。でも世田谷”だけ”にはこだわらない。なぜなら、このまちは、東京と、地方と、世界とつながることで成熟してきたから。私たちは、コミュニティに根ざした活動でありながらも、世田谷から始める取り組みや、そこから生まれる価値を、地域を超えて伝播させる役割を果たします。ローカルで、グローバルで生まれている変化を世田谷に持ち込み一歩先の価値観を作り出します。

 

お金を出す人も、活かす人も、それを応援する人も。意志あるチャレンジを続ける皆さんとともに、5つの役割を果たし、まちを支える生態系をつくっていきます。